
韓中合作映画韓中合作映画『MUSA -武士-』(2001)と韓日合作映画『サウラビ』(2002)は、サムライや武士道といった文化コンテンツを奪って韓国のものにしてやろうという魂胆が含まれていたが、大した反響はなく『ラスト・サムライ』(2003)の前にかすんでしまった。その後も金容雲などがサムライ=サウラビ説を広めようとしたようだが、あまり普及しなかったらしい。
2017年11月の東亜日報記事は、「サウラビが変わってサムライになった確率はゼロに近い」とバッサリ切り捨てている。この記事を書いた황규인記者によると、「サウラビ」という語を発明したのは国語教師で放送作家のアルバイトもしていた金英坤(1926〜88)で、東亜日報(1962年11月20日付)のインタビューで「俺が考えた」と自慢している。なお、日本語版Wikipediaはこの話の出典として後述のNEWSTOF記事(2019年6月13日付)を引用しているが、NEWSTOFは下の東亜日報の記事を引用しているので、直接東亜日報を引用した方がよい。
https://n.news.naver.com/mnews/article/020/0003109194?sid=102
[백 투 더 동아/11월 20일]일본 사무라이는 백제 싸울아비가 뿌리? [동아일보 2017.11.19]
大手紙にここまでバッサリ否定されると、サムライ=サウラビ説はなかなか主張しにくいだろう。2018年1月のグッドモーニング忠清の記事は青雲大の이재준研究教授が書いており、新羅が百済を滅ぼした黃山伐戦闘(660年)について長々と解説している。その中で東亜日報(1962年11月20日付)に言及し「サウラビ」が現代韓国語であり、「百済の滅亡後に倭に渡って行き日本のサムライの元祖になったというが明確な根拠はない」と韓国起源説が成り立たないことを認めてはいる。それでも이재준教授は百済軍の兵士を「サウラビ」と呼んだ。理由は「高句麗には扃堂、新羅には花郎という戦士集団があったが、百済だけ何もないから」だそうである。
http://www.goodmorningcc.com/news/articleView.html?idxno=80512
[백제 마지막 전쟁의 진실] ⑩ 황산벌 싸울아비는 화랑 운용전략에 패했다 [굿모닝충청 2018.01.13]
NEWSTOFの「サムライは元来『護衛武士』ではなかった」を書いた金玄耿は、執筆時点で東京の国立博物館のアソシエイトフェローだった。金玄耿はサムライ=サウラビ説の流行について、学校で国史の時間に古代日本がいかに半島から先進文物を学んだかを散々教えられたせいで、サムライが百済から来たという主張もすんなり受け入れられたのだろうとした。また2002年の映画「サウラビ」は、「偉大な民族魂の復活を標榜し、百済のサウラビは日本サムライの源流という考え」で作られたとしている。さらに公開直前の2001年12月に出た雑誌『무카스(ムカス)』の記事は、日韓ネチズンの真偽論争を紹介しながら結論は出さなかったという。そして東亜日報(2017年11月19日付)を引いて、「サウラビ」が放送作家による新造語であり、「サウラビが変わってサムライになった確率はゼロに近い」という황규인記者の結論を紹介した。
https://www.newstof.com/news/articleView.html?idxno=1546
사무라이는 원래 '호위무사'가 아니었다 [NEWSTOF 2019.05.03]
こうしてサムライ=サウラビ説はほぼ亡んだ状態だが、韓国起源説がなくなったわけではない。次回は剣道を含む日本武道の韓国起源説について紹介する。