富士川遊『日本疾病史』1912（国立国会図書館の画像データで読んだ）には、古代から江戸期までの疫病記事をまとめた年表がある。これに富士川があげなかった江戸時代の疫病を、倉地（2016）から追加した。和暦や典拠は省略した。
※で示した病名は、富士川以外による推定も含む。552（欽明13）年の仏教伝来時に蔓延した疫病は天然痘か麻疹かで意見が分かれており、富士川はどちらとも断定していない。585（敏達14）年の疫病は『日本書紀通證』などで天然痘とされてきたが、富士川は認定しなかった。富士川は698（文武2）年の疫病に言及しなかったが、マクニールは天然痘だと断言した。『日本後紀』に人口が半減（亡沒殆半）と書かれた808（大同3）年の悲惨な疫病は、マクニールがペストの可能性を主張し、董科もその可能性を認めた。959（天德3）年と1029（長元2）年の「福来痛」は、マクニールによるとおたふく風邪だった。
引用文献
倉地克直『江戸の災害史−徳川日本の経験に学ぶ』中公新書, 2016.
董科「古代日本における異常気象・都市生活環境と疫病流行について—平安京を中心に—」『東アジア文化交渉研究』7, 2014.
富士川遊『日本疾病史』吐風堂, 1912.
McNeill, William H., Plagues and Peoples, 1972（佐々木昭夫訳『疾病と世界史』中央公論新社, 2007）
日本疫病史年表
552 國行疫氣、民致夭殘、久而愈多、不能治療。※天然痘か麻疹
699 三月、信濃・上野二國疫、五月、相模國疫。
702 二月、越後、六月、上野國疫。
703 三月、信濃・上野二國疫、五月、相模國疫。
704 三月信濃、夏伊賀・伊豆國疫。
705 諸国廿飢疫。
706 是年天下諸國疫疾、百姓多死。
707 正月、諸國疫、四月、天下疫飢。
708 二月、讚岐國疫、三月、山背・備前二國疫。七月、但馬・伯耆二國疫。
710 二月、信濃國疫。
711 五月、尾張國疫。
712 五月、駿河國疫。
713 二月、志摩國疫、四月、大隅・大倭國疫。
723 九州の隼討伐後に飢疫。※天然痘か麻疹
726 諸國疫疾流行。
733 左右京及諸國飢疫者眾。
737 春、疫瘡大發、公卿以下天下百姓、相繼沒死、不可勝計。※天然痘
747 夏四月、紀伊國疫旱。
749 二月、石見國疫。
756 於左右京四畿內、救療疹疾之徒。※麻疹
760 三月、伊勢・近江・美濃等一十五國疫。四月、志摩國疫。
762 八月、陸奧國疫。
763 四月、壹岐嶋疫。五月、伊賀國疫。六月、攝津・山背二國疫。八月、百姓稍苦飢饉、加以疾疫、死亡數多。※天然痘
764 三月、志摩國疫。四月、淡路國疫。八月、山陽・南海二道諸國旱疫。
770 六月、京師飢疫、七月、但馬國疫。
772 六月、讚岐國疫。
773 夏五月、伊賀國疫。七月、祭疫神於天下諸國。
774 二月、讀經於天下諸國、攘疫氣也。夏四月、天下諸國疾疫者眾。
780 三月、駿河國飢疫。
782 今年有疫、夭殍之徒不少。
785 五月、周防國飢疫。
790 是年秋冬京畿男女年卅已下者、悉發豌豆瘡（俗云裳瘡）、臥疾者多、其甚者死。※天然痘
791 五月、天下諸國頻苦旱疫。
794 八月、安房國疫。
807 大宰府言、疫病尤甚。
808 天下諸國、飢餒繁興、疫癘相尋、多致夭折。※ペストの可能性
809 停役諸國腳夫於京下、以旱疫民疲也。
812 秋七月、疫旱並行。
822 秋七月、甲斐國疾疫。
823 二月、天下大疫、死亡不少。五月、諸國疫氣流行。
824 春三月、美濃國言上「百姓飢病」。
826 秋八月、左右京飢病。
829 夏四月、諸國疫癘間發、百姓夭死。
830 夏三月、大宰管內及陸奧、出羽等國、疫癘流行、夭死稍多。
832 五月、疫旱相起、人物夭折。
833 三月、遠江國飢疫。五月、京師・五畿內・七道諸國並飢疫焉。
834 四月、災氣。
835 八月、佐渡國飢疫、死亡者多。十二月、能登國旱疫、人民飢苦。
836 五月、東西兩京人民病苦。七月、諸國疫癘間發、夭死者眾。
837 夏六月、疫癘間發、疾苦者眾。
840 六月、諸國飢疫、往往喪亡。
843 正月、疫癘間發、夭死者眾。
849 二月、染疫之人、往往夭亡。
853 二月、京師及畿外、多患痘瘡、死者甚衆。※天然痘
860 長門國、去年疫癘、死者尤多。
861 八月、患赤痢者眾、十歲已下男女兒、染苦此病、死者眾矣。※赤痢
862 自去冬末、京城及畿内外、多患咳逆、死者甚衆。※インフルエンザ
863 自去年冬末、至于是月、京城及畿內畿外、多患咳逆、死者甚眾矣。※インフルエンザ
864 七月、加賀・出雲兩國疾疫。
865 四月、去年天下患咳逆病、今年內外疫氣有萌。※インフルエンザ
866 閏三月、美作國飢疫、賑給之。五月、頃年國內疫病繁發、神郡百姓病死者眾。
867 五月、宮城京邑、病苦死喪者眾。
870 十月、伯耆國飢、疫死者眾。
872 正月、京邑咳造病發、死亡者眾。※インフルエンザ
876 七月、丹後・美作兩國飢疫。
898 三月、疫癘。四月、京中外圍疫癘。六月、天下疾疫。
901 七月、改元、依旱潦疾疫也。
904 閏三月、天下疾疫。
908 從去年夏至此夏疾疫。
909 從去年夏、至此夏、疾疫。春夏之間、疾疫盛發。
915 九月、諸人赤痢。十月、有大祓事、除疱瘡。※赤痢、天然痘
920 七月、今年春夏間、咳病風水。※インフルエンザ
922 五月、京中之病厄。
923 正月、臨時御讀經、爲攘咳病也。※インフルエンザ
928 四五月間，疾疫最甚。
929 春三月、京畿諸國疫病流行，死者溢路。
930 今年依疫氣，人民多愁苦道路故也。
932 四月、爲消疫癘奉幣諸社。
942 六月、近來疾疫之事、京中多聞飢病之輩。
943 夏、旱魃、疫癘行。
947 六月以後、疱瘡多發。八月、疱瘡及赤痢。※天然痘、赤痢
949 六月、轉讀「仁王經」、爲祈年穀、消疫病也。
955 今年秋間疫癘流行、人民病苦。
957 今年當三合年水旱疾疫之災不絕。
958 春夏之間飢饉疾疫。
959 今年、人民頸腫、世號「福來痛」。※おたふく風邪
960 病患頻発、死殤間聞。
961 四月、天下患疫疾者巨多。
966 秋七月、天下疾疫。
974 八月、大祓、是為除皰瘡災也。※天然痘
993 五六月間、有咳逆疫。秋比、天下有疱瘡疫。※インフルエンザ、天然痘
994 自正月至十二月、天下疫死者尤盛、起自鎭西及京師。死者過半。道路置死骸。
995 二月、天下疾病。今年四五月、疫癘殊盛。
998 天下自夏至冬、疫癘遍發。六七月間、京師男女死者甚多、世謂之赤斑瘡。※天然痘、麻疹
999 正月十三日，改為長保元年。依去年赤斑瘡疫也。※麻疹
1000 今年冬、疫死甚盛、自鎮西來京師。
1001 始自去冬、至于今年七月、天下疫死大盛。道路死骸、不知其數。※天然痘
1008 六月、世間疾疫并物恠。
1010 七年正月二十九日うせさせたまひにしぞかし。御しはぶき病にや。※インフルエンザ
1015 天下咳病、又疫癘屢發、死者多矣。※インフルエンザ
1016 六月、諸国旱損殊甚、亦有疫癘之愁。大納言病悩更無減者、為赤痢病。※赤痢
1017 五月、応令十五大寺延暦寺転読「仁王般若経」、攘除災病事。
1020 此春、人民患疱瘡。※天然痘
1021 從去春至此夏疾疫、死者甚多。
1025 自夏及秋、天下患皰瘡。同年，自夏及秋季，有赤疱瘡。※天然痘、麻疹
1027 義光云、禅室彌以無力、痢病無數、飲食已絶。※赤痢
1028 七月廿五日、改元、依疫癘炎旱也。
1029 自去月至今月、京中人病頸腫、世謂之-福來痛。※おたふく風邪
1030 令諸社御読経、攘除疾疫。
1036 この年もがさ夏よりいでて人々わづらいけるに、云々。※天然痘
1040 五月、京師、多累死者、久之不止。
1044 自正月初至六月季，疾疫殊盛，死骸滿路。
1051 自去年冬，疾疫流行。
1052 自去年冬，疾疫流行。
1072 去六月以後，疱瘡流行。※天然痘
1075 十月、轉讀大般若經。祈民庶頓滅也。
1077 上自一人下至庶人、莫不患赤皰瘡矣。八月九日、自去夜下痢如沃水。※麻疹、赤痢
1090 今年近日疾疫發聞。
1093 十二月、世間赤疱瘡聞。※麻疹、天然痘
1094 從去十一十二月及此正月、世間有疱瘡聞、又今年秋冬、赤疱瘡。※天然痘、麻疹
1099 三月、疾疫旱災。五月、疾疫。
1106 是歳、天下疾疫。
1107 三月、春間、頻有疾疫聞。
1113 正月、赤斑瘡流布天下。二月比大疱瘡。※麻疹、天然痘
1118 三月二十九日、改元、依天變疾疫也。
1119 五月十四日、使千僧讀經延暦寺、禳疾疫。
1127 夏、赤斑瘡流行。※麻疹
1132 閏四月、疾疫蔓延。
1134 天下万人咳病、或有夭亡輩。※インフルエンザ
1135 五月、天下疾疫、飢餓者充満道路。
1136 八月、天変風水飢疫。
1142 五月、天下疱瘡。※天然痘
1144 十月、自暁下痢病。十一月、依咳病免内辨退出。※赤痢、インフルエンザ
1150 十月、咳病蜂起、貴賤上下、敢無免者、老者多以妖死、民庶粗死亡。※インフルエンザ
1177 二月二十日、近日疱瘡流行。※天然痘
1181 天下飢饉、旱魃、餓死、疫癘。
1182 正月、京師饉疫、強行火、嬰兒棄道路、死骸満街衢。
1192 十一月、依疱瘡御祈、被行三所大祓。※天然痘
1197 五六月天下病悩、号一心房病。
1206 四月二十七日、改元、依疱瘡也（依赤斑瘡也）。※天然痘、麻疹
1207 十月二十五日、改元、依疱瘡、疫疾、雨水也。※天然痘
1219 六月七日、奉幣二十二社、爲禳疾疫也。
1224 四月、近日天下小兒、赤斑瘡多、有其聞。※麻疹
1227 十一月、自去月下旬之比、赤斑瘡流布、云々。※麻疹
1228 将軍家御咳病気有り。近日のこの事流布す。都鄙の貴賤遁れずと。※インフルエンザ
1231 二月以来洛中・城外疾疫流布し、貴賤多く以て亡卒すと。
1233 二月、近日咳病、世俗稱夷病。※インフルエンザ
1240 六月二十五日、御不例は御痢病なり。※赤痢
1243 五月、近日疱瘡滋蔓、小兒等有此事。晩景将軍家赤痢病気御坐す。※天然痘、赤痢
1244 自四月至六月、大疫。近日天下貴賤、兩三日病惱。※インフルエンザ、風疹
1256 奥州禅門の息女卒去す。去る比流産、その後赤痢病を煩うと。八月、近日赤斑瘡流布。※赤痢、麻疹
1259 自春及夏、京師諸國疾疫、飢茡盈路。
1260 正月、天下大飢饉疫疾。八月七日、将軍家赤痢病を煩い御う。※赤痢
1264 七月上旬以來、咳病流布。※インフルエンザ
1277 今秋已來、天下病患流布。
1278 二月二十九日、改元、依疾疫也。
1288 四月、天下病事。
1289 四月、近日病事流布。
1300 六月、世間病事流行。
1302 十二月十二日、自昨主上有御惱、而爲御疱瘡由。※天然痘
1307 依赤斑瘡、舞童等多病惱。※麻疹
1310 自四月、世間病事流布。
1311 三月、京畿諸道疫病流行、俗稱三日病云。※麻疹（風疹？）
1314 二月一日、依疱瘡流行、被行四角鬼氣祭。※天然痘
1315 七月二十九日、被載當月世間疾疫流行事于宣命辭別。
1329 ことしはいかなるにかシハブキヤミはやりて人多くうせ給ふ中に。※インフルエンザ
1331 八月八日、改元、依疫疾也。
1342 四月二十七日、北朝改曆應、依天變地妖、疱瘡事也。※天然痘
1345 十月二十一日、北朝、依天變、水害、疾疫等、改康永、爲貞和。※インフルエンザ
1351 六月、近日疾疫流行。
1360 都には去年の天災・旱魃・飢饉・疫癘、……。
1361 北朝、康安元年三月二十九日、改元、依疾疫、痘瘡、天變、地震也。※天然痘
1362 北朝、貞治元年九月二十三日、改元、依兵革、流病、天變、地震也。
1365 正月、疱瘡流行。五月、天下大咳病。※天然痘、インフルエンザ
1366 六月、今月、飢饉及疫癘流行。
1368 北朝、應安元年二月十八日、改元、依病患、及天變地妖也。
1374 正月、痘瘡流行。※天然痘
1378 七月、近日、號三日病、貴賤無免、此難之者。※麻疹（風疹?）
1380 四月二十九日、赤斑瘡流布。※麻疹
1381 二月四日、奉一衆、就上府、眞讀大般若經、蓋爲府君疱瘡祈禱。※天然痘
1390 是年、疾疫流行。
1391 七月、飢饉餓死、疫癘流行。
1405 八月、此時天下一同ハシカ病。※麻疹
1407 八月、大風、咳病流行。※インフルエンザ
1408 六月、天下一同三日病。※麻疹
1410 六月、天下大疫病。
1421 春夏之交、天下飢饉疫病、人民死亡、不可計數。
1424 是歳、大疫病、大飢饉、人民多亡、失家失村。
1428 天下一同、三日病。※麻疹（風疹?）
1429 此春、疾疫、人多殆。
1434 今年、疾疫、餓死者多。
1435 是歳、陸奥會津四郡、疫大行、人多死。
1441 三月二十一日、近日諸人病惱多、赤斑瘡也。※麻疹
1448 是歳、疾疫、飢饉。
1450 自正月至七月、大疫癘、京中一日千人死。
1451 冬十一月、疾疫行。
1452 是歳、痘瘡流行、踰年、小兒多死。※天然痘
1453 此年京中小兒イモヤミして多死。※天然痘
1460 天下飢饉、疾病、餓死病死人不知數、人種失三分二云々。
1461 春夏之交、天下飢饉疫癘、民間之死者充道路。
1463 七月、三日病流行。※風疹?
1471 二月より、赤疹はやり人多く死す。※麻疹
1477 此年、云々、少童疱をやむこと大半にこえたり。※天然痘
1481 此年疫病天下に流行、病死人多し。※天然痘
1483 此年疫病多流行也。
1484 自今春疱瘡竝瘀《ハシカ》以外增。※麻疹
1486 疫病流行、千死一生也。
1487 疫病にて人多死すること大半に過たり。
1488 七月、近日、流布所勞、人民惱亂、超過于上古聞及之事歟。
1489 八月二十一日、改元、因三合厄及赤斑瘡流行也。※麻疹
1492 近日一天、疫病、以外也。
1500 五月癸未晦、霖、天下疫癘。
1506 麻疹流行。※麻疹
1511 此年正月、浮世に口痺流行、人死すること無限。※扁桃腺炎
1513 此年、麻疹世間に流行すること大半に過ぎたり。又タウモと云大瘡出でて…。※麻疹、梅毒
1523 此年少童痘を病む、又イナスリを病む、大概はつる也。※天然痘、麻疹
1530 此年七八の兩月、…人のなやむこと不知數、大概死也。
1531 此年少童疱を病むこと無現、千死一生也。※天然痘
1534 是春夏、疫行、死者多。
1535 難儀なる咳病はやりて皆死去申候。ハシカを勞ひ、御藥進上。※インフルエンザ、麻疹
1536 此年五月より七月まで、雨降候て言語道斷、餓死殊更疫病はやり申候。
1537 此年正月、疫病はやり申候。此年童子共疱を致し候こと無限。※天然痘
1540 是年、天下悉疾疫、人民多死、天子御惱、相公若公病。
1550 此春中、小童共疱をやみ候而、皆々死すること不及言説。※天然痘
1556 京師小兒咳逆而死亡者、甚多。※インフルエンザ
1559 惣而酉の年迄三年、疫病流行、村郷あきるゝこと無限。
1573 八月二十日、祈禱病災于諸社諸寺。
1578 麻疹流行。※麻疹
1580 自春至夏、疫大行、人死者多。
1585 是歳、大饑、疫行。
1587 麻疹流行。※麻疹
1594 十二月、疾疫流行。
1607 御ひめハシカいで候よし。※麻疹
1610 疫病（倉地 2016）
1614 九月、畿内近畿、風疾流行、自是月至冬十月。※インフルエンザ
1616 十月、麻疹流行。※麻疹
1619 自春至夏、旱魃、痘瘡及疾疫流行、人畜多死。※天然痘
1622 疫病（倉地 2016）
1640 諸國疫行、牛多死。
1642 諸國疾疫流行、人多死。
1644 江戸で麻疹流行（倉地 2016）
1649 麻疹流行。※麻疹
1654 痘瘡流行。※天然痘
1671 水痘流行。
1672 牛疫（倉地 2016）
1674 且濕疫流行、死者不可勝計。※腸チフス
1679 痘瘡流行。※天然痘
1680 此歳、肥前の對馬領、飢饉、疾を患ふるもの八百九十七人、内死亡せしもの十四人。
1682 六月、去今月、京都及近畿疫疾流行。※天然痘
1684 四五月の比長崎港疾疫大に流行…九州中國の方も、又疫氣時に行はれ…。
1690 この歳、麻疹流行して男女老少、此病に染まずと云ふことなし。※麻疹
1691 四月、麻疹流行。※麻疹
1693 國中の諸人一般時疫に感じ、其病状發熱、惡寒、頭痛如裂…。※インフルエンザ（腸チフス?）
1696 畿内で疫病（倉地 2016）
1699 江戸にて古呂利と云ふ病はやり今月流行す。
1702 春夏、對馬疱瘡流行。※天然痘
1707 十二月、此ほど世の人咳嗽をうれへずといふものあらず。※インフルエンザ
1708 冬より麻疹流行。八月、頃日世間疫病（疱瘡及痢）流布。※麻疹、天然痘、赤痢
1709 痘瘡流行、小兒死者、十中八九。※天然痘
1711 今歳春より夏に至り疱瘡大に流行す。※天然痘
1712 疱瘡流行。※天然痘
1714 疾疫流行、死亡多。
1716 正德六年の夏、熱を煩ふ病人多く、一箇月の中に、江戸町々にて資するもの、八萬人に及び、云々。※インフルエンザ
1720 疱瘡流行。※天然痘
1723 諸國疱瘡流行。※天然痘
1724 畿内で疫病（倉地 2016）
1725 痢病（倉地 2016）
1729 疫病（倉地 2016）
1730 京畿諸國麻疹流行。八月下旬より風氣流行致し候。十一月、鍋カブリといふ病はやる。※麻疹、インフルエンザ、丹毒
1732 三月、天下飢饉、疫癘行はる。
1733 六月より七月に至り、海内風邪大流行。※インフルエンザ
1734 疫疾流行、至夏尤甚、死亡多。
1736 狂犬病（倉地 2016）
1740 痘瘡（倉地 2016）
1742 風邪（倉地 2016）
1744 夏より冬まで、諸國風邪流行。※インフルエンザ
1746 痘瘡流行。※天然痘
1747 十月上旬より諸國風邪流行。※インフルエンザ
1753 自夏至九月、麻疹流行。※麻疹
1763 寶曆の末年、東都に大疫あり、其證自汗、煩渇、小便頻數、淋痛、…※腸チフス
1769 九月十七日、自去月、風疫又流行。※インフルエンザ
1770 九月十日、癸丑、疾疫行、人多死。
1772 安永の初年、長夏、流行の病ありて死亡塗に相望めり。※腸チフス
1776 二月五日、頃日、京畿風疫流行。三月末より秋の始まで麻疹流行して人多く死す。※インフルエンザ、麻疹
1779 風疹流行。※風疹
1780 九月頃より風邪流行す。※インフルエンザ
1781 九月、十月、風邪流行。※インフルエンザ
1782 正月大納言様御麻疹、云々。※麻疹
1784 春、都下人民、患頭痛、壮熱、脈洪大數急、而嘔吐不止者尤多。※インフルエンザ
1788 正月、京師大火後、瘟疫流行。※腸チフス
1795 三月初旬、大君小金原に狩し玉ひて、四五日の後より感冒行はれたり。※インフルエンザ
1799 秋、疫痢流行。※赤痢
1801 享和辛酉（元年）の歳極月より壬戌（二年）の正月に及び疫邪流行す。※インフルエンザ
1802 春正月の末より、三月を過ぐる間、京師傷風大に行はる。※インフルエンザ
1803 四月より六月に至り麻疹流行、人多く死す。※麻疹
1808 今茲は秋の頃に至りて感冒必ず流行せん歟。※インフルエンザ
1811 四月上旬より風邪流行。※インフルエンザ
1816 長崎災後、冬より翌年の夏に延いて、此疫大に流行し、…※腸チフス
1817 二月、江戸諸國風疾流行。此時吾崎嶴災後、人多病疫、…※インフルエンザ、腸チフス
1819 二月中旬より風邪流行。五月末より八月頃まで都下大に痢疾あり。※インフルエンザ、腸チフス
1821 五月、都下感冒行はる。※インフルエンザ
1822 吾郷萩府、八月の末より、一箇の流行病あり。※コレラ
1824 四月より六月まで麻疹流行。五月、感冒大に行はる。※麻疹、インフルエンザ
1827 六月、大風の後、赤痢と稱して、人々五身赤くなりて…※赤痢
1831 三月末より四月中旬に至つて、感冒大に行はる。四五六月の間、南伊勢に霍亂行はれ、…。※インフルエンザ、腸チフス
1832 冬、風邪流行。※インフルエンザ
1834 東北で飢饉に伴う疫病（倉地 2016）
1835 朧月中旬より都下（江戸）風疹大に行はる。※風疹
1836 六七月より麻疹行はる。春月より疫邪盛に行はれ、秋末に至りてやゝ止む。※麻疹、腸チフス
1837 十月より翌年正月に至るまで大阪一般痘流行せり。※天然痘
1841 秋に至りて、痢疾、濕疫、瘧疾多かりき。※赤痢
1850 十二月末風邪流行、春に至る。※インフルエンザ
1851 夏の末より秋へかけて炎威殊に盛にして疫病行はる。
1852 七月、暑疫流行。
1854 夏秋の際、江戸瘟疫流行。秋、傷寒、風邪等の病人多し。※腸チフス、インフルエンザ
1857 二月、風邪を病むもの多し。※インフルエンザ
1858 安政五年六月、肥前崎陽暴瀉流行し、西國を經て浪華京師に及び、七月下浣に迨んで江戸に流轉す。※コレラ
1859 五月の末より六月に至り、霍亂大に流行す。※コレラ
1860 五月、傷寒、熱病、眼病等多し。※インフルエンザ、腸チフス
1861 六七月、麻疹大流行、八月に至る、麻疹稍々衰ふると、暴瀉病を續發し、九月に至りて止む。※麻疹、コレラ
1862 今茲文久二壬戌の夏、麻疹大に行はれて、後再びコレラ病盛に行はれ、…※麻疹、コレラ
1867 六月初旬、冷氣催し、諸人袷衣を著く、風邪、熱病行はる。※インフルエンザ、腸チフス
